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冷えると風邪をひく

英語では風邪のことを「コールド(cold)」といい、まさしく寒さが風邪をおこすという信念をよく表しています。
もちろん日本でも、「明日から急に寒くなりますので、風邪に注意してください」と天気予報を締めくくるくらいで、寒さ=風邪にかかる前提というのは誰もまず疑いません。

この常識に真っ向から挑戦した研究論文が、1958年と1968年にアメリカで出版されています。
両方とも、かなり多数のボランティア被験者(どうも囚人らしい)を使い、厚着、薄着で低温環境に望み、風邪をひく率を出したもの。
後者は同じ様な条件に加えて、ご丁寧に鼻風邪のウイルスを点鼻するという要素を加えています。
それぞれ結果はどうだったかというと、「気温や衣服の条件は、全く風邪の発症率に影響しなかった」というもの。

風邪のウイルスは寒いところを好むので、冷えると風邪をひきやすいという風にもっともらしさを加えた言い方もあるのですが、後者の実験はこの説も否定しています。
暖かくしていようがどうしようが、いったんウイルスが鼻粘膜に侵入すれば、どんなに免疫が活発であろうと、95%の人は感染し、その75%が風邪症状を示すのです。

欧米の学術団体が開設している風邪予防の啓蒙サイトをあちこち訪問してみると、「風邪は寒さとは無関係」という主張は徹底しています。
ウイルスに汚染された手を鼻の粘膜に突っ込むのが主な感染経路になるので、鼻の穴をほじらないのと、手をきれいに洗うこと、咳やくしゃみをしている人に近づかないことだけが有効な予防策とされています。

「どうにも納得いかない、現に俺は寒いところで我慢して仕事してたらてきめんに風邪ひいたぞ」と言われる方もおられるでしょう。
でもそれは後からそう考えるだけのことです。
寒いところにいながら風邪を引かなかったことのほうが多いはずなのに、たまたまそういう経験すると関係があるように思えるという、多くの伝説成立に見られる無理な理屈付けとおなじ事をしているわけです。
寒いところにいると風邪に至らないまでも鼻水が出てくることはあり、それと風邪のひきはじめのゾクゾク感が、ますます低温と風邪の関連付けを強化しているようです。

しかし、現に冬に風邪ひきは多いではないか、それはどう説明するのだといわれると、少々苦しいのは事実。
寒いので同じ部屋の中に集まる傾向がおおくなり、蔓延しやすいのだというようなあまりすっきりしない説明になるようです。
啓蒙サイトでは正直に「原因はよく判らない」とされています。
ただし、いわゆる鼻かぜの主要な原因となるリノウィルスがもっとも拡がるのは春と秋で、もう少し重症の風邪をひきおこすエコーウィルスは確かに冬に多いとのこと。

実際は、暑い盛りにだって風邪はひきます。
それでも、暑い夜だったのでふとん掛けずに寝て体を冷やしたのだろうという風に、冷えが風邪の原因という一度成立した信念があると、つごうのいい部分だけが説明の根拠として使われ、疑いの材料にはまずならないのです。
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2011-03-07 : 医学の都市伝説 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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