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取調室のカツ丼

とある警察署の無機質な取調室、窃盗事件で捕まった容疑者の男を二人の刑事が取り調べていた。
比較的若い刑事が机を叩いて男を問い詰める。
「盗んだのはお前だな!」
しかし、容疑者の男は何も喋ろうとしない。
するとそこに、やり取りを後ろで静かに聞いていた年配のベテラン刑事が介入する。「おい、お前は下がってろ…」
そして、男に優しく尋ねる。
「ところでお前、カツ丼は好きか?」
予想外の言葉に唖然とした男の前に、湯気が立つ美味しそうな「カツ丼」が差し出された。すると、それまで食べる物に困っていた男は涙を流しながら「カツ丼」を口にかき込み、その後で自らの犯行を自供したのだ。

これは全国の警察署でよく見られる光景であり、取調室では刑事のおごりで容疑者に「カツ丼」を振る舞うことが定番となっている。 

戦後しばらくの間、貧しかった日本において「カツ丼」は庶民のご馳走でありました。そんな当時、テレビで放送されていた刑事ドラマに見られる取調室のシーンでは、頻繁に「カツ丼」が登場したのです。それは、「刑務所に入ったら二度とカツ丼なんて食べられないだろう」という刑事の優しさから、自分の安月給で注文した「カツ丼」を容疑者に食べさせると、容疑者はその情けにほだされて犯行を自供するというものでした。
今回の「都市伝説」がそうした刑事ドラマに起因していることは間違いありませんが、実際には取調室で容疑者に「カツ丼」が差し出されるといったことは絶対にありません。それは容疑者が食べ物の食器を刑事へ投げつけることにより、逃走する隙を与えないようにするためで、警察署にある多くの取調室では原則として食事が禁止されています。
2006年9月6日には、埼玉県警所沢署の警部が取調室で被疑者に「カツ丼」を食べさせたとして、懲戒処分を受けるという不祥事がありました。

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2011-08-28 : 食べ物の都市伝説 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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